北海道の知床半島で、オホーツク海から流れ着いた流氷の下を潜る「流氷ダイビング」が最盛期を迎えている。
今シーズンは夜の流氷の様子を観察する「流氷ナイトダイビング」のテストも行われた。日没後の海水は、温度計では零下2度近くを指していた。海中に入ると、顔には刺すような痛みが走った。真っ暗な海中で水中ライトを点灯すると、プランクトンが集まり、光り輝く流氷の幻想的な姿が浮かび上がった。
流氷ダイビングを主催するロビンソンダイビングサービス(札幌市)の西村浩司代表(52)は、「ナイトダイビングはまだテスト段階ですが、流氷の様々な魅力を伝えていけるようにしたい」と話した。
新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、安倍晋三首相は1日、政府対策本部の会合で、換気が悪く、人が密集するような空間に集まることを避けるよう国民に求めた。専門家による調査で、スポーツジムや屋形船などで小規模な患者の集団(クラスター)が発生し、1人が12人に感染させた例があったという。
厚生労働省によると、2月26日までに明らかになった国内の感染者110人の濃厚接触者らを調べた結果、屋形船での集団発生では1人が12人に、スポーツジムの事例では1人が9人に感染を広げていたことがわかった。政府は、密閉空間など換気が悪く、人が密に集まって過ごすような場所が集団感染の共通点と判断。こうした場所を避けるよう国民に呼びかけた。一方、感染者の約8割は誰にも感染させていなかったという。
国内では1日、新型コロナウイルスに感染した北海道釧路地方の70代男性の死亡が判明し、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客を含め死者は計12人となった。北海道の死者は3人目。このほか北海道、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、兵庫県、高知県、福岡県で計14人の感染も新たに確認され、国内の感染者はクルーズ船の乗客らを含め計961人となった。
北海道によると、死亡した男性は1月17日に持病の治療のため釧路市の病院に入院。肺炎症状が出たため検査し、2月25日に感染が判明、29日に死亡した。道の担当者は、院内感染の可能性は低いとの見方を示した。
世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルス(COVID─19)の感染拡大リスクについて、世界全体の評価を「非常に高い」に引き上げた。危険性評価で最高水準となる。
WHOのテドロス事務局長は、新型ウイルスが流行するイタリアから他の14カ国に、イランからは11カ国に飛び火していることを指摘し、「これらの動向を注視しており、世界全体の感染および影響の危険性評価を『非常に高い』に引き上げた」と述べた。
同時に「大規模な市中感染は確認しておらず、それが事実であれば、新型ウイルスの封じ込めはなお可能だ」と強調した。
日本経済新聞電子版とNHKは28日、シャープ<6753.T>が新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、マスク生産に乗り出すことが分かったと伝えた。
日経によると、マスク不足を受けた政府の緊急要請に応じて、異業種から参入するのは初めてという。3月半ばにも1日当たり15万枚の態勢で生産を始め、同月中にも市場に投入。政府はコロナ対策の予算を投じて後押しする。
シャープは三重工場(三重県多気町)でマスクを生産する方針で、液晶ディスプレーを生産する同工場のクリーンルームなどを活用。まず3つの製造ラインで作り始め、最終的には10ラインで1日50万枚まで増やす計画という。