文化庁は26日、「飛鳥美人」などで知られる高松塚古墳(奈良県明日香村、7世紀末~8世紀初頭)の石室壁画(国宝)の修理を完了したと発表した。2007年から石室を解体した上でカビなどの表面の汚れを取り除き、石に塗られたしっくいを補強。1972年の発見時の極彩色を完全に取り戻すまでには至らなかったが、一定の成果は残した。
石室には「飛鳥美人」を含む男女群像のほか、四神像や星宿(星座)図などが描かれていたが、01年以降に石室内でカビなどによる劣化が確認された。修理は、古墳近くに仮設の施設を作り、東京、奈良の両文化財研究所が分担。日本画修復の専門家「装こう師」がカビなどを丹念に除去し、酵素や紫外線を応用した新技術も採り入れた。08年度以降で計27億円が投じられた。
世界保健機関(WHO)は24日、米国での新型コロナウイルス感染者の急増を受け、米国が欧州に代わり同ウイルスの流行中心地になる可能性があるとの見解を示した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)は昨年12月に中国で始まったものの、流行の中心地は以降、アジアから欧州へと移っている。
WHOのマーガレット・ハリス(Margaret Harris)報道官は記者会見で、過去24時間にWHOが報告を受けた新たな感染者のうち、85%は欧州と米国で確認され、今や欧米が「流行をけん引」していると指摘した。
国連のグテーレス事務総長は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、共通の敵はウイルスであって戦争をしている時ではないと、世界中に停戦を呼びかける緊急のアピールを行った。
グテーレス事務総長「武力紛争をやめて、わたしたちの人生のための本当の戦いに集中するときです」
グテーレス事務総長は23日、世界の紛争地ではコロナウイルスの感染拡大のおそれがあるとして、停戦の必要性を訴えた。
世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は23日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)は明らかに「加速している」と警告した上で、今からでも大流行の「軌道を変える」ことは可能だと述べた。
米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が20日、世界全体で25万人を超えた。18日に20万人超となったばかりだが、欧米など世界で増加のペースが加速しており、わずか数日で5万人が上積みされた。
各国政府の発表などによると、中国以外の世界各地での感染者・死者数が中国本土を初めて上回ったのは16日で、その後も差は広がり続けている。感染拡大がいつまで続くのか、全く見通せない状況が続いている。