名古屋市は30日、市内2カ所で発生した新型コロナウイルスのクラスター(感染集団)について、一つがほぼ終息、もう一つも終息傾向にあると発表した。市の新たな感染者は21日以降、1日1~2人程度で推移。市は濃厚接触者をほぼ全員把握し、健康観察と早期に自宅待機を求めたことが拡大を抑えた要因とみている。
市によると、スポーツクラブで発生したクラスターは、2月15日に最初の感染者を確認。クラブ利用者や家族らに市が一人ずつ利用日からの行動を聞いて濃厚接触者を特定し、電話で日々の体調変化を見る健康観察を実施。自宅待機も求めた。健康観察はのべ1千人超となったが、3月10日以降は新たな感染者はなく、計28人でほぼ終息したとみる。
もう一つはデイサービスで、2月下旬に緑、南両区で利用する高齢者が相次いで感染したことを受け、市は3月7日から両区のデイサービス事業所全126カ所に2週間の休業を要請した。8日後の同15日から新たな感染は減り始め、現状は計73人で終息傾向にあるとみている。 ただ、2週間程度の潜伏期間を考えると、現状で感染を制圧できているかは不明という。28日には神奈川県から名古屋市に来た40代男性の感染が確認され、首都圏からの流入にも警戒する。年度替わりで、感染が増え続ける首都圏や関西圏からの市内への人口流入が増えるとみている。首都圏や関西圏から市内に来た人には、感染が疑われる症状が出た場合、早めに保健センターに相談するよう呼びかけている。
山形大学術研究院の城戸淳二教授は仏壇メーカー、照明会社と協力し、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)照明を使って伝統工芸「蒔絵(まきえ)」の装飾パネルを試作した。
蒔絵は漆器の表面に漆で絵や文字を描き、金粉などをまいて作るが、光とは相性が悪く、色あせや劣化が課題だった。有機EL照明は熱をほとんど持たず、紫外線を出さない特徴があり、仏壇仏具メーカーの保志(福島県会津若松市)が、山形大発のベンチャーで有機EL照明を手掛けるオーガニックライティング(米沢市)とパネルを共同開発。背面から揺らぐように照らすことで、優しく奥行きのある作品を浮かび上がらせた。
菅義偉官房長官は30日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言を発令するかどうかについて「ぎりぎり持ちこたえている状況だ」と指摘した。東京都などで感染者が急増している現状を踏まえ「長期戦を覚悟していただく必要がある。国民に不便を掛けているのは一層厳しい強硬措置を回避するためだ」と述べ、外出自粛要請などの対応に理解を求めた。
緊急事態宣言の発令を巡っては、安倍晋三首相が28日の会見で「瀬戸際の状況が続いている」と表明していた。
菅氏は会見で緊急事態宣言発令の是非に関し「慎重に判断することが必要だ」と強調した。
WHO(=世界保健機関)のテドロス事務局長は26日、G20(=主要20か国・地域)の首脳会議で、新型コロナウイルスについて「数百万人が死亡する可能性がある」と述べ、各国に対策強化を訴えた。
26日、G20の首脳らが行ったテレビ会議で、WHOのテドロス事務局長は、世界的大流行を意味するパンデミックが「非常に急速なペースで加速している。全ての国が積極的に行動しなければ、数百万人が死亡する可能性がある」などと述べ、強い危機感を示した。
その上で、各国に対し、「感染の疑いがあるすべての人を検査・隔離し、感染経路を特定することは、選択肢ではなく義務だ」と述べ、感染拡大の防止を強化するよう訴えた。
また、世界的に不足している医療用マスクや防護服について、全ての国に生産を増やし、輸出制限をしないよう求めた。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は25日、新型コロナウイルス感染拡大が夏に終息する公算は小さいとの見通しを示した。研究結果によると、シンガポールのような高温多湿の熱帯地方でも、ウイルスの活動が弱まらないという。
ECDCは、この分析が「感染者の隔離や職場でのソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)、学校閉鎖など一連の措置の重要性を浮き彫りにした」と指摘した。
さらに、迅速に対応しなければ、欧州では4月半ばまでに集中治療室の病床が不足すると警鐘を鳴らした。