新型コロナウイルスの感染が広がっていることを受け、安倍晋三首相は1日、政府対策本部の会合で、換気が悪く、人が密集するような空間に集まることを避けるよう国民に求めた。専門家による調査で、スポーツジムや屋形船などで小規模な患者の集団(クラスター)が発生し、1人が12人に感染させた例があったという。
厚生労働省によると、2月26日までに明らかになった国内の感染者110人の濃厚接触者らを調べた結果、屋形船での集団発生では1人が12人に、スポーツジムの事例では1人が9人に感染を広げていたことがわかった。政府は、密閉空間など換気が悪く、人が密に集まって過ごすような場所が集団感染の共通点と判断。こうした場所を避けるよう国民に呼びかけた。一方、感染者の約8割は誰にも感染させていなかったという。
国内では1日、新型コロナウイルスに感染した北海道釧路地方の70代男性の死亡が判明し、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客を含め死者は計12人となった。北海道の死者は3人目。このほか北海道、千葉県、東京都、神奈川県、愛知県、兵庫県、高知県、福岡県で計14人の感染も新たに確認され、国内の感染者はクルーズ船の乗客らを含め計961人となった。
北海道によると、死亡した男性は1月17日に持病の治療のため釧路市の病院に入院。肺炎症状が出たため検査し、2月25日に感染が判明、29日に死亡した。道の担当者は、院内感染の可能性は低いとの見方を示した。
世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルス(COVID─19)の感染拡大リスクについて、世界全体の評価を「非常に高い」に引き上げた。危険性評価で最高水準となる。
WHOのテドロス事務局長は、新型ウイルスが流行するイタリアから他の14カ国に、イランからは11カ国に飛び火していることを指摘し、「これらの動向を注視しており、世界全体の感染および影響の危険性評価を『非常に高い』に引き上げた」と述べた。
同時に「大規模な市中感染は確認しておらず、それが事実であれば、新型ウイルスの封じ込めはなお可能だ」と強調した。
日本経済新聞電子版とNHKは28日、シャープ<6753.T>が新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、マスク生産に乗り出すことが分かったと伝えた。
日経によると、マスク不足を受けた政府の緊急要請に応じて、異業種から参入するのは初めてという。3月半ばにも1日当たり15万枚の態勢で生産を始め、同月中にも市場に投入。政府はコロナ対策の予算を投じて後押しする。
シャープは三重工場(三重県多気町)でマスクを生産する方針で、液晶ディスプレーを生産する同工場のクリーンルームなどを活用。まず3つの製造ラインで作り始め、最終的には10ラインで1日50万枚まで増やす計画という。
長年の謎であった
史上最大の考古学的発見
ネフェルティティの墓の場所は長い間謎だった。ツタンカーメン王の墓の近くに埋葬されているだろうと最初に指摘したイギリスの学者、ニコラス・リーブス(Nicholas Reeves)によると、もし彼女の遺骨が発見されれば、科学的に大きな飛躍となるだろうという。
ネフェルティティは長い歴史の中で、アクエンアテン王の偉大な王妃として知られていた。しかし、エジプト学者の中には、彼女がアクナテンとともに女王として共同統治したと考える者もいる。ネフェルティティが男性に変装して支配していたのではないかという説もある。
リーブスはネイチャーに対し、「ネフェルティティがファラオとして埋葬されていたとしたら、史上最大の考古学的発見になるかもしれない」と述べている。