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電子タバコその2

2022/03/29
電子タバコその2

タバコは歯周病のリスク因子として悪名高いが、電子タバコもやはり歯周組織にダメージを与えるというエビデンスが報告された。米ニューヨーク大学(NYU)のDeepak Saxena氏らの研究によるもので、詳細は「mBio」に2月22日掲載された。電子タバコ利用者の口内細菌叢は、非喫煙者よりも喫煙者に近い特徴を有しているとのことだ。Saxena氏は、「この結果は、電子タバコを利用すべきでないという、ごくシンプルな事実を物語っている」と述べている。

 口の中に生息する細菌は、バイオフィルムという粘着性の膜を形成して繁殖する。歯の表面のバイオフィルムは、毎日の歯磨きと定期的な歯科受診によってコントロール可能だ。しかし、歯と歯茎の間に深い歯周ポケットがあると十分にクリーニングできず、細菌が産生する毒素が組織を刺激し、慢性的な炎症反応が引き起こされる。これが歯周病と呼ばれる状態だ。米国歯周病学会によると、喫煙は歯茎を脆弱にして歯周病のリスクを高めるという。そして今回のSaxena氏らの研究で、従来型タバコだけでなく、電子タバコも口内細菌叢のバランスを乱し、炎症や感染を起こしやすくする可能性が示された。