新型コロナウイルス感染症の有力な治療薬候補である抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産に向けた態勢整備が進んでいる。長い年月を要する新薬に比べ、既存のアビガンへの期待は大きい。エボラ出血熱など他の疾患治療を目的に開発された既存薬を対象に、新型コロナへの有効性を探る取り組みが国内外で広がっている。
アビガンは富士フイルム富山化学(東京)が開発。2014年に国から承認を受けた新型インフル薬には、コロナウイルスの増殖抑制効果が期待されている。有効性を確認する臨床試験(治験)が始まり、年内にも承認されて広く投与される可能性がある。胎児に奇形が生じる副作用から妊婦らは服用できない。