発災5カ月後の2011年8月23日。当時副大統領だったバイデン氏は名取市の仮設住宅「美田園第1団地」を訪れ、「皆さんに必要とされる間はいつまでもここにとどまり、皆さんを手助けする」と被災者らに強調した。
同市への訪問は、米軍が「トモダチ作戦」として仙台空港の復旧に協力したのがきっかけという。米国の閣僚級以上の高官が被災地に入るのは初めてだった。
バイデン氏は、自らの妻子を事故や病気で失った経験があり、震災で家族を失うことを「その気持ちがよく分かる」と語りかけた。
集会所で言葉を交わしたという同市の桜井久一郎さん(80)は、「とても優しい人だった。大統領になれば、他の国との関係ももっと友好的になるのでは」と期待する。