その土地では当たり前の慣習。でも、引っ越してきた者には驚愕(きょうがく)の連続……。不思議なもので、当初は違和感を覚えた光景も、いつしか感嘆や得心へと変わっていくのです。転勤族でもある新聞記者が、熊本に引っ越してきた最初の頃に感じた「へぇ」を紹介します。
「熊本は車の運転が難しい」。今年4月に熊本総局に着任した記者の私を含めて、多くの転勤者がそう言う。
要因のひとつは熊本市内を走る市電だ。レトロな車両も走る街の風景は味わい深いけれど、軌道敷を横切って右折する際には、対向車だけでなく前後からの市電の接近にも目を配る必要があって気が抜けない。